■なぜ労働市場を把握する必要があるのか?
医師の先生方の中には、医師の労働市場および労働環境が今現在どのような状況にある
のか、残念ながら全く把握していない人が少なくありません。これはこれで問題です。
勤務している地域や科目によって医師が少なかったり多かったり、それぞれの診療科の
働き方、どれくらい忙しいかを知らなければ自分の状況を相対的に評価できません。
医師としての自分の役割を見いだせないまま働き続けることになってしまいます。
■自分の置かれた状況を評価できない
ハードな研修医を経て医師として働きながら、何も疑問を持たずに働けるなら幸せかも
しれませんが、何となく選んでしまった科目がとんでもなく医師不足だったとします。
連日残業続きでまともに休めない状況にありながら、「どこもこんなものかな」と素直
に思えますでしょうか? 自分で選んだなら「仕方ない」と、あきらめもつきます。
しかし、教授の勧めで入局したら、教授を恨みたくなるのではないでしょうか?
■他人の意見に振り回され続ける
そうならないためにも周囲の一方的な情報に頼りすぎることは危険です。しかし、そう
はいっても、医師の労働市場・労働環境を把握できなければ頼らざるえません。
マッチングは需要と供給のバランスによって成立するわけですから、安易に進路を決め
てしまうと、将来あらゆる場面で色々と迷いが生じ、苦しむことになります。
ですので、適切な選択が出来るようになるためにも、中長期的なキャリアプランを作成
するために、医師の労働市場の状況をしっかり把握しなければなりません。