■待遇改善されることのない過酷な現場
小児科に新生児集中治療室(NICU)がある病院は、24時間365日体制で小児科医
を配置させなければなりませんので、小児科医の先生は本当に大変です。
「 新生児医療 」に力を入れている病院は、小児科医の給与は高めに設定されている
ので、激務であっても給与に関する不満は小さいと考えられています。
しかし、32時間(定時に終わることはないので実際には36時間)連続勤務に耐え
ながら働き続けるのは非常に困難で、並の精神力では到底無理です。
■過酷過ぎる小児科医の当直の実態
スケジュールどおり毎日進めばいいのですが、入院患者さんの容態が急変することも
しばしばありますし、ハイリスクな分娩になると人手不足が災いします。
ただでさえ現場にいる小児科医が少ないのに、残された小児科医が手分けして現場を
切り盛りすることになります。そうなると残業がいつも以上に長くなります。
場合によっては、40時間を超えることもあります。
そうなると「 思考回路 」が極端に低下し、集中できなくなります。
何でもない天敵や採血すら失敗します。ミスが多くなってしまうのです。
しかも、人の命がかかっているので、医療ミスもとなれば徹底的に責められます。
■小児科医の給与水準は高いのか?
こうした過酷過ぎる当直が月に最低でも「5回」以上あります。
休日は身体を休めるだけになります。というより身体を休めるだけにしておかないと、
余計なエネルギーを消費してしまい、働き続けることができなくなります。
また最新の医療知識を空いているスキマ時間に勉強しなければなりません。
休日は趣味に没頭するなんてことは到底できません。
30代で専門医を取得された先生でも年収は1400万円前後です。
ボーナスが基本給の4ヶ月であれば、月収で100万円は到底超えません。
最近になって、ようやく待遇改善を見直す動きが広がっています。