■住民と対立する構造はこうしてできた
少子高齢化が進みすぎた地方にある病院では、医師不足があまりにも深刻な状況にある
ため、小児科の看板を下げるところもあり、こうした動きが広がっています。
そうなると安定した医療を求めて地元住民らが署名活動を行ないます。
メディアでは一方的に病院側が悪いような報道をこれまで行ってきました。
こうしたメディアの報道によって「 地域住民のために医師が働くのは当然だろう! 」
という間違った考えを植え付けてしまい、余計に医師の先生を遠ざけてしまいました。
困ったことに誰も問題の本質を捉えていないので、何も改善されません。
ただ、ひたすら状況が「 悪化 」しています。
それをメディアがまた面白おかしく報道するので、状況は悪くなる一方です。
■高額年俸を提示しても人が集まらない状況に!
そこで急いで医師を確保するために、高い給与を餌に募集をかけるのですが、それでも
来ません。そこで働きたいと思えるような環境ではないので当然の結果です。
しかし、そうはいっても給与は高い方がいいですよね。
これほどまでに過酷な状況の中で働いているわけですから、その対価を求めるのは当然
の権利です。しかし、とてもじゃないですが対価に見合っていません。
■日本の医師の給与水準は低すぎる?
ちなみに民間病院に勤務する医師の年収は、1500万円前後とされています。
アメリカの医師は3000万円前後なので日本の2倍以上に設定されています。
しかも労働時間は日本の医師の約半分くらいなので極端に差があります。
原因として悪質なデフレの影響も多分にあると思います。
またアメリカのやり方にも問題があります。例えば1980年代に規制緩和をやりすぎ
てしまったので、庶民がまともに医療を受けられなくなっています。
ですので、比較すること自体問題かもしれませんが、それでも日本の医師の「給与」は、
あまりにも対価に見合っていないといわざるえません。