■今後容赦ない規制緩和が進む?
医師不足は解消されますかと問われても、「 国にその意思が無いから無理です! 」
としか答えられません。役人の方々は医療の現実を見ようとしていません。
今後は、政治家を動かして規制緩和を徹底的に進め、外資を含めた民間が新規で参入
しやすい環境になっていくのではないかと思っています。
そうなれば既得権益の代表である医局を潰す動きが加速することでしょう。
その代わりに派遣業がこれまで以上に台頭してくるのではないでしょうか?
そうすれば、医師の先生方をはじめとした医療に携わる人達の賃金を抑えられます。
確かに医師不足は劇的に解消されるかもしれませんが、医療費高騰は免れません。
そのしわよせは医療の質の低下という形で全て国民が負うことになります。
■日本の医療は現場を知らなさ過ぎる人達に壊される
以下は以前厚労省から発表された「麻酔科医不足」を解消するための政策です。
医療に従事する人達の仕事について、低く見ているとしか思えません。
(1)一定の研修を受けた歯科医が医科手術の麻酔を行えるようにする
(2)認定資格を付与された麻酔専門看護師が麻酔を行えるようにする
歯科医は規制を緩和しすぎたことにより、開業医があふれています。歯科医の先生方
も解剖学・生理学などは当然勉強されているので素養は確かに高いと思います。
しかしながら看護師にいたっては人材不足が続いていますので、歯科医の先生の副業
と専門看護師が増えたところで、医師不足を解消できる要因にはなりえません。
麻酔をかけるというのは、手術中に患者さんの全身管理を行うことです。
安心・安全が当たり前を実現するのがどれほど大変なことか理解できないようです。
その責任は全て麻酔科医の先生が負うことになります。一方手術が無事成功すれば、
担当の先生が評価されるだけなので、非常に「不平等感」が強いです。
■医療の質を保つためには?
看護師に関しても全ての責任を負わせるのは非常に酷な話です。
認定資格を取得すれば年収ベースで100万円以上アップするならまだしも、そうで
なければ、恐らく厚労省側が期待しているほど「なり手」が増えないと思います。
日本の医療の質を落とさないようにするには、医療費を増やす以外の道はありません。
それ以外のことを強引にやろうとしても、現場が混乱するだけです。