■小児科医を取り巻く環境について
小児科医は肉体的にも精神的にもハードな当直が月に最低5回はあります。
人手が足りなくなると、さらに増えることになります。
医療崩壊が叫ばれてから久しいですが、それでも何とかこれまでやってこれたのも、
全て医師の先生方をはじめ、現場で必死に働く人たちのおかげです。
こうした厳しい状態は20年ほど前から続いています。
しかし当時は今ほど「 モンスター・ペイシェント 」のような存在は多くありません
でした。同様に「 訴訟リスク 」も多くありませんでした。
感謝されることのほうが多かったので、今以上にやりがいがありました。
ご存知のとおり最近はより凄まじい状況にありますよね。
今後も改善される可能性は残念ながら低いです。
■人材不足の元凶は?
一般には長らく医師は十分足りていると思われていました。
厚生労働省による何らかのプロパガンダがあったと思っています。
医師は人件費が一番高いのだから「 待遇改善 」などもってのほか、といった空気が
流れていましたので、人員補強を訴えても拒絶されるだけでした。
そのつけがいまになって大きな問題となってあります。
急に人が足りないから何とかしろと言われても対応するのに時間がかかります。
こうした問題の元凶である厚生労働省は、問題に対して責任を取ることもなければ、
取ろうとする姿勢すら見せませんので、医療に従事する人達が浮かばれません。
■小児科医の給料は本当に高いのか?
小児科医は給料が他よりも高いとされています。
確かに総支給額の額面だけみれば高いと思われるでしょう。
当直と残業が多いので、当然といえば当然です。
基本給自体は一般の同年代のサラリーマンの方とさほど変わりません。
その代わり各種手当てと当直代が基本給をも上回ります。
このため、ボーナスの支給額を低く抑えることができます。
年収で1200万円以上貰えれば、世間一般的には年収は申し分無く高いわけですが、
その責任の大きさと、過酷過ぎるという言葉が軽すぎるくらい労働時間が長いです。
ですので、正直割に合いません。
病院経営も苦しいので賃金が上昇しない方向に動いています。
20年ほど前なら2000万円を超えているケースも多かったのですが...