■医師不足の本質を理解していない
悲しいことに人材不足を嘆く地方の病院の多くが、なぜ医師が来てくれないのか理解
していないケースが多いです。このためいつまでたっても問題が解決されません。
医師の先生方は、仕事に誇りを持てる職場でなければ働けません。
肉体的にも精神的にも過酷な仕事ですから当然です。
ですので、当然それなりの「職場環境」でなければなりません。
地方(田舎)だから医師の先生方が来てくれないのではなく、医師として働きがいの
ある「職場環境」にないことが問題であることに早く気づいて欲しいところです。
■署名活動を展開しても人材難が加速するだけ
地方では医師が減れば減るほど提供するサービスの質が即悪化します。
各職場に残された医師一人あたりの負担が増えるので、ある意味当然です。
そうなると各市町村の役人が中心となって、医師の増員を要求する「 署名活動 」が
展開されることがありますが、まったくもって効果がありません。
周辺地域に住む住民が病院側の対応に不満を感じ、自治体にクレームが殺到するから
こうした活動が行われるわけですが、自治体側が問題の本質を理解してません。
医師がいなくなったら、その分すぐに増員しなさいでは、済まされないわけです。
こうした態度では余計に医師の先生方を遠ざけてしまいます。
■新しい医師を受け入れる体制がない?
こうした地方にある病院の特徴として「こんなことまでやらせるの?」と驚くほど、
医師の先生方への負担が大きいです。都会の病院ではまず考えられません。
しかも長年勤務している看護師さんに顎で使われるケースもよく見受けられます。
新しい医師の先生を受け入れる体制がそもそも病院側にないのも問題です。
またこうした「職場の問題」だけでなく、病院内の医療機器が一昔前のものを使って
いたり、施設に関しても老朽化が進んでいたりと、目に余る点が多すぎます。
残念ながら今後もこうした問題は解決される可能性は低いと思います。